風雅が軽々私をダイニングに運ぶ。片手で椅子にクッションをどさどさ敷いて、その上に私を降ろした。
テーブルにはずらりと並んだ食事。お味噌汁に炒め物、昨日の角煮は半熟卵と一緒にどんぶりに仕立てられてある。
ぐうとお腹が鳴る。素直だわ、私の身体。
「いただきます」
ぱくぱくと食欲のままに食べ始める私を風雅が嬉しそうに見つめている。その視線のとろけそうな幸福感。向かい合っていれば伝わってくる。
「希帆、俺、すごい幸せ」
「うん、わかる。視線がうるさいもん」
「そんなに? まあいっか。世界中に自慢したい気分だし」
角煮丼の上にナスとキャベツのみそ炒めをのっけるという行儀の悪いことをしながら、私はちらっと風雅を睨む。
「名実ともに風雅の奥さんになったんだから、優雅さんにどんな女を紹介されても靡いちゃ駄目よ」
「ん? あー……」
「言ってたじゃない。優雅さんの薦める女性と結婚してほしいって! 絶対駄目よ。ここで私を捨てたら許さないからね」
風雅が苦笑いになって小首を傾げた。
「うーん、たぶん希帆は優雅に煽られたんだと思うけど」
「は?」
「優雅はブラコンだからね、俺が悲しむことは絶対にしないよ。たぶん、俺と希帆の仲を進展させたくてああいうことをしたんだと思う。希帆は俺のこと好きじゃないって言ったり、俺の仕事の現場に連れてきたり」
待って……優雅さんは私と風雅の仲に反対の立場でああいうことを言っていたんじゃないの?
私を煽ろうとしていたって、どういうこと?
テーブルにはずらりと並んだ食事。お味噌汁に炒め物、昨日の角煮は半熟卵と一緒にどんぶりに仕立てられてある。
ぐうとお腹が鳴る。素直だわ、私の身体。
「いただきます」
ぱくぱくと食欲のままに食べ始める私を風雅が嬉しそうに見つめている。その視線のとろけそうな幸福感。向かい合っていれば伝わってくる。
「希帆、俺、すごい幸せ」
「うん、わかる。視線がうるさいもん」
「そんなに? まあいっか。世界中に自慢したい気分だし」
角煮丼の上にナスとキャベツのみそ炒めをのっけるという行儀の悪いことをしながら、私はちらっと風雅を睨む。
「名実ともに風雅の奥さんになったんだから、優雅さんにどんな女を紹介されても靡いちゃ駄目よ」
「ん? あー……」
「言ってたじゃない。優雅さんの薦める女性と結婚してほしいって! 絶対駄目よ。ここで私を捨てたら許さないからね」
風雅が苦笑いになって小首を傾げた。
「うーん、たぶん希帆は優雅に煽られたんだと思うけど」
「は?」
「優雅はブラコンだからね、俺が悲しむことは絶対にしないよ。たぶん、俺と希帆の仲を進展させたくてああいうことをしたんだと思う。希帆は俺のこと好きじゃないって言ったり、俺の仕事の現場に連れてきたり」
待って……優雅さんは私と風雅の仲に反対の立場でああいうことを言っていたんじゃないの?
私を煽ろうとしていたって、どういうこと?



