年が明けた。

「『漫才グランプリ』第18代目チャンピオンが緊急参戦!

初登場、ブルースパイラル!」

年末年始は絹子さんの家で過ごしていた。

「この人たち、よく見かけるわよね」

テレビの中で漫才をしている彼らを見ながら、絹子さんが言った。

「優勝したからね」

ほうじ茶を飲みながら返事をした私に、
「来年まで持つかどうかだけどね」

絹子さんは言い返した。

「あー、そうだね…」

私は返事をすると、湯のみを置いた。

『漫才グランプリ』で優勝した翌日から年末年始もテレビに出まくっている孝太は、大丈夫だろうか?

忙しいかも知れないけれど、ちゃんとご飯を食べれてる?

いろいろと大変かも知れないけれど、ちゃんと睡眠をとってる?

…なんて、私が心配をする資格もなければ関係もないか。