はいけい色をうばったかみさまへ

大すきだった色が何かわすれて

その色も思い出せなくて、

かなしくてかなしくて

どうすることもできなくて。

それならいっそ、

しのうかなと考えてしまったのです。

色が見えない生活は、

ぜったいたいへんだと思うから、

早いうちに「さようなら」をして

きえちゃった方がらくじゃないか。

お父さん、お母さん。

もう泣かなくていいんだよ。

もうわたしはいなくなるから、

かなしまないでえがおでいてね。


色が見えなくなったわたしからのてがみ。