ふざけた話かたで、笑いながら言う声を聞いて私は顔を上げた。


 見ると、靴箱の最上段に私の上靴が置いてある。


「よかったね、宇佐ぴょん!」


「あっ、ありがとうございます……」


 思わず小声でお礼を言ってしまった。

 まちがいなく、この子たちの仕業だろう。

 でも、見ていなかったので確証がない。


 犯人あつかいして間違っていたら、とんでもない仕打ちを受けてしまう。

 クラスメイト全員を敵に回して、結果は見えている……


「宇佐ぴょん足細いね、もっとスカート短くしたら?」


 思い悩んで放心状態の私に話かけてきたと同時に、ニヤニヤしながら手をのばしてきた。

 そして、私のスカートの裾をつかみ、ゆっくり引き上げようとしてくる。


「えっ、ちょっとまってください……」


「アタシたちと同じくらい短くしなさいよ、ほらほら!」


「……」


 怖くて声がでないけど、両手でスカートの裾をつかんで抵抗する。



 その時、聞き覚えのある声がした……