辺境付近には、何もなかった。
 乾いた砂が目の前に広がって。
 ずっと歩いていけば、どこかの国へたどり着けるのだろうかと考える。
 児童養護施設には0歳から9歳までの子供たち31人が暮らしている。
 10歳になると、ここに住む子供は他の施設に行くか、養子として引き取られる2パターンがあるそうだ。

 一面、何もない土地で施設がちょこんと建てられている違和感。
 もしかして、身を隠すにはうってつけの場所だからってことなのか…。

 どこへ行っても自分は隔離された場所にいるなあと思っていたけど。
 今回、違うのは大勢の人達と触れあっているということ。
 自分よりも年下の子と話す機会なんてなかったから。

 当初は、顔の痣のせいで「バケモノ」と言われていたけど。
 一ヵ月も経てば、子供たちも私の顔に慣れたのか何も言ってこなくなった。
 悪ガキどもに石を投げられることもなくなった。
 徐々に私の存在は子供たちに受け入れられ、一年経ってようやく仲良くなってきた。
 ここでの生活が慣れていくのは良いことだし、大泣きすることも減ったけど。
 不安があった。
 ここでの生活から抜け出せるのかなあって。
 慣れるほど、ここから抜け出せなくなったら困ってしまう。