Your PrincessⅡ

 死んでしまえば良かった。
 渚は何度も思った。
 そこからの記憶はとにかく曖昧だった。
 病院に一日、検査入院した。

 その後、宿舎に戻って荷物をまとめるように言われた。
 しかし、渚は気力がなかった。
 部屋には誰もいなかった。
 誰一人、部屋に戻ってこなかったのだった。
 タイラ、キョン、マオは、あの卒業試験を最後に一度も顔を見合わせることがなかったのだ。

 渚は食べることをやめて、眠ることもやめた。
 ただ、虚ろな目で前を向いていた。

 先生方に運ばれて、その状態のまま青年騎士団へと入団した。
 だが、授業を受けられる状況ではなかった。
 毎日、ベッドに寝るだけの状況だった。

 たまりかねた学長が、渚をある所へ運ぶように指示する。
 渚が担ぎ込まれ、降ろされたのは一軒の家だった。
「ここから、先は君の足で行きたまえ」
 そう言って学長たちは去ってしまう。
 渚は何も考えずに、家の扉を開けた。