一年は果てしなく長いものかと感じられたが。
目標が出来た渚にとって、一年はある意味有意義なものへと変わった。
強くならなければ、卒業試験で抜け出すことが出来ない。
そう考えると、今までの勉強に対する姿勢が変わった。
元々、運動神経が良かった渚は剣術も武術も一度見てしまえば簡単に覚えられてしまう。
小柄で身体が身軽なので、ジャンプ力と瞬発力は特にずばぬけていた。
勉強のほうでは、ティルレット王国の言葉を話せるが文字を読むのは相変わらず苦手で、ルームメイトのマオによく教えてもらっていた。
あっというまに一年が経った。
タイラが教えてくれた通り、卒業試験は学校を飛び出した野外で行われた。
「一日は森の中で過ごしてもらい、サバイバル技術を身に着けてもらう。2日目は、砂漠を抜ける間に色々と戦ってもらってゴールだ」
何とも、ざっくりとした説明だろうか。
マツの言葉に渚は目を細めた。
この卒業試験はチームごとに行われる。
渚のチームはルームメイトである、キョン、マオ、そしてタイラの4人チームだ。
それぞれのチームに地図と方位磁石が配られて、
「解散っ」
という言葉に先生は一瞬でいなくなった。
目の前にある森の中を皆は急ぎ足で突き進んでいく。
森を抜けるのに一日かかってしまう。
暗くなったら、そこで寝泊まりするしかない。
成績優秀なマオが卒業試験の段どりを取ってくれる。
「森の中で敵に襲われるってことはないのかなあ?」
ビクビクしながら渚がマオに向かって言う。
「その可能性は低いと思う。サバイバル技術を身に着けるっていうのが一日目の目標だからね」
何を根拠にマオは言っているのだろうと渚は思ったが。
マオの考えていることは正しいと信じて頷いた。
最初のほうは数十人のチームが固まって進んで行ったが、
それぞれのチームのペースがバラバラになっていって、気づけば周りのチームはいなくなっていた。
「今夜、寝泊まりするところはやっぱり川の近くがいいね」
マオは地図を見ながら言った。
タイラとキョンが頷く。
「マオは凄いなあ。どうしてそんなに頭の回転が速いんだ?」
渚が感心しながら言うと、マオは照れるような表情をした。
「03番が、馬鹿すぎるんじゃね?」
タイラの一言に「こらぁ」と言って渚はタイラを追っかけまわす。
渚は海辺でずっと生活していたので森の中で、どう動いていいのかわからなかった。
だが、マオはこの日のために本を読んで勉強してきたのだという。
途中、休憩を挟みながら歩き続け夜になり始めたので。
川の近くで寝泊まりすることになった。
「森を抜けたら、いよいよ戦いになるね」
焚火をしながら明日の打ち合わせをすることになった。
「とにかく、前に進め。それしか道はないんだから」
火を眺めながらタイラが言った。
「もし、ゴール付近に辿り着いたらどうやって抜け出すの?」
渚が一番疑問に思っていたことだ。
「ゴール近くに何台かトラックがあるらしい。そこに紛れ込むしかない」
「タイラって何でも知ってるよね」
渚が言うと、
「おまえが無知すぎるんだ! 上級生がどうやって砂漠まで来てると思ってんだよ」
と大声で言い返してきた。
渚は唇を尖らせる。
「いいか、明日しかチャンスはないんだ。全力でやるしかない」
「キョンとマオはどうするの?」
脱走予定なのは、タイラと渚だけだ。
キョンとマオは顔を見合わせた。
「時間稼ぎするよ。君たちのことは何も知らないって言い張るから大丈夫さ」
渚は、ありがとうと感謝の気持ちを伝えた。
上手くいけば、家族に会える。
この地獄から救われる日が来るのだ。
目標が出来た渚にとって、一年はある意味有意義なものへと変わった。
強くならなければ、卒業試験で抜け出すことが出来ない。
そう考えると、今までの勉強に対する姿勢が変わった。
元々、運動神経が良かった渚は剣術も武術も一度見てしまえば簡単に覚えられてしまう。
小柄で身体が身軽なので、ジャンプ力と瞬発力は特にずばぬけていた。
勉強のほうでは、ティルレット王国の言葉を話せるが文字を読むのは相変わらず苦手で、ルームメイトのマオによく教えてもらっていた。
あっというまに一年が経った。
タイラが教えてくれた通り、卒業試験は学校を飛び出した野外で行われた。
「一日は森の中で過ごしてもらい、サバイバル技術を身に着けてもらう。2日目は、砂漠を抜ける間に色々と戦ってもらってゴールだ」
何とも、ざっくりとした説明だろうか。
マツの言葉に渚は目を細めた。
この卒業試験はチームごとに行われる。
渚のチームはルームメイトである、キョン、マオ、そしてタイラの4人チームだ。
それぞれのチームに地図と方位磁石が配られて、
「解散っ」
という言葉に先生は一瞬でいなくなった。
目の前にある森の中を皆は急ぎ足で突き進んでいく。
森を抜けるのに一日かかってしまう。
暗くなったら、そこで寝泊まりするしかない。
成績優秀なマオが卒業試験の段どりを取ってくれる。
「森の中で敵に襲われるってことはないのかなあ?」
ビクビクしながら渚がマオに向かって言う。
「その可能性は低いと思う。サバイバル技術を身に着けるっていうのが一日目の目標だからね」
何を根拠にマオは言っているのだろうと渚は思ったが。
マオの考えていることは正しいと信じて頷いた。
最初のほうは数十人のチームが固まって進んで行ったが、
それぞれのチームのペースがバラバラになっていって、気づけば周りのチームはいなくなっていた。
「今夜、寝泊まりするところはやっぱり川の近くがいいね」
マオは地図を見ながら言った。
タイラとキョンが頷く。
「マオは凄いなあ。どうしてそんなに頭の回転が速いんだ?」
渚が感心しながら言うと、マオは照れるような表情をした。
「03番が、馬鹿すぎるんじゃね?」
タイラの一言に「こらぁ」と言って渚はタイラを追っかけまわす。
渚は海辺でずっと生活していたので森の中で、どう動いていいのかわからなかった。
だが、マオはこの日のために本を読んで勉強してきたのだという。
途中、休憩を挟みながら歩き続け夜になり始めたので。
川の近くで寝泊まりすることになった。
「森を抜けたら、いよいよ戦いになるね」
焚火をしながら明日の打ち合わせをすることになった。
「とにかく、前に進め。それしか道はないんだから」
火を眺めながらタイラが言った。
「もし、ゴール付近に辿り着いたらどうやって抜け出すの?」
渚が一番疑問に思っていたことだ。
「ゴール近くに何台かトラックがあるらしい。そこに紛れ込むしかない」
「タイラって何でも知ってるよね」
渚が言うと、
「おまえが無知すぎるんだ! 上級生がどうやって砂漠まで来てると思ってんだよ」
と大声で言い返してきた。
渚は唇を尖らせる。
「いいか、明日しかチャンスはないんだ。全力でやるしかない」
「キョンとマオはどうするの?」
脱走予定なのは、タイラと渚だけだ。
キョンとマオは顔を見合わせた。
「時間稼ぎするよ。君たちのことは何も知らないって言い張るから大丈夫さ」
渚は、ありがとうと感謝の気持ちを伝えた。
上手くいけば、家族に会える。
この地獄から救われる日が来るのだ。


