渚が叫んでいると。
鎧を纏った男が2名、鉄格子の前に立った。
男達が鉄格子の扉を開けると「出ろ」とだけ言う。
最初にキョンが出た後、渚は出たと同時に、男の一人に向かって全力で体当たりした。
だが、子供の力だけではどうしようもなく、
男は渚の頭を殴った。
両手を拘束されて、キョンと渚はトラックに乗せられる。
驚いたことにトラックには10人ほどの男の子たちが無表情で座っている。
「逃げるのは無理だよ。相手はプロだもの」
どうしてキョンは冷静に受け入れているのか、渚は理解が出来なかった。
渚が乗ったトラックは一時間ほど走った後、急に停止した。
「降りろっ」
乱暴に降ろされて、あとは言われるがままに渚たちは歩かされる。
不安と恐怖で渚は泣き始めた。
これから最悪の事態が起きることだけは理解出来た。
…殺されるのかもしれない。
学校のグラウンドのようなところで。
渚と同い年くらいの男の子たち、約50名が綺麗に整列された。
ガクガクする足で渚が立っていると、目の前に20代後半と思われる男が立った。
「まずは、学長からのご挨拶だ」
男が下がると次に目の前に立ったのは30代くらいの体格の良い男だった。
目が鋭く蛇のような顔をしている。
渚はチラッと周りを見渡す。
すべての少年達が絶望しているかに見えた。
中には見るからにイライラしている少年がいた。
渚を含めた少年たちを囲うように、きっちりと綺麗に騎士団の格好をした男達が立っている。手には剣を持っており、言う事を聴かなければ切りますよ。といった様子だ。
「ようこそ、少年騎士団へ。ここへ望んできた者もいれば、そうでない者もいるだろう」
しょうねんきしだん。
渚は鼻水をすすりながら、学長と呼ばれる男を睨んでいた。
「ここでの生活は君たちにとっては厳しさを極めるかもしれない。だが、強さというものは・・・」
涙で顔面を濡らしながら、一体この大人は何を威張って言っているのか…。
渚には全く理解に苦しんだ。
うんざりとしているのは渚だけではなかったのだろう。
「おまえ、頭おかしいんじゃねえか!」
と急に学長に怒号を浴びせる少年に、ビクリっと渚は身体を震わせる。
両手を拘束されているだけで、口は塞がれていない。
発言しようと思えば喋れるのだが、恐怖で誰もが沈黙を守っていたというのに、
一人の少年が列から外れて学長の前に立った、
「俺を家に帰せ。俺を元のところへ戻せ」
…同じだと渚は思った。
自分と同じように連れ去られた者がいたのだ。
学長に向かって、わめく男の子は見るからに身分の高い奴に見える。
服装が、豪華だ。
あんなテカテカした光沢のある生地に首には宝石を身に着けている。
そういえば、ここにいる少年達は皆服装がバラバラだ。
国家騎士団は無作為に少年を誘拐してきたのかと渚は考える。
「何とか言えよ、俺をこんなところに連れてきていいと思ってんのか」
さっきから、大声で叫ぶ貴族少年に。
渚は泣きながら心の中で、「もっと言えー」と応援していた。
学長は、黙っていたが、「なるほど」と急に頷いた。
次の瞬間、渚にとって一生のトラウマになる光景を目にする。
学長が頷いた後、一瞬の光景だった。
学長は身に着けていた剣を貴族少年の胸に向かって突き刺したのである。
「ぎゃあー」
側にいた少年達が悲鳴をあげる。
貴族少年の身体に剣が突き刺さった。
学長は無言で剣を抜き取る。
どさっと鈍い音で、少年が倒れた。
「言っておくが、少年騎士団に入団した以上、逆らった人間はこうなるから覚えておきなさい」
不気味に笑った学長に。
渚は目の前が真っ暗になった。
鎧を纏った男が2名、鉄格子の前に立った。
男達が鉄格子の扉を開けると「出ろ」とだけ言う。
最初にキョンが出た後、渚は出たと同時に、男の一人に向かって全力で体当たりした。
だが、子供の力だけではどうしようもなく、
男は渚の頭を殴った。
両手を拘束されて、キョンと渚はトラックに乗せられる。
驚いたことにトラックには10人ほどの男の子たちが無表情で座っている。
「逃げるのは無理だよ。相手はプロだもの」
どうしてキョンは冷静に受け入れているのか、渚は理解が出来なかった。
渚が乗ったトラックは一時間ほど走った後、急に停止した。
「降りろっ」
乱暴に降ろされて、あとは言われるがままに渚たちは歩かされる。
不安と恐怖で渚は泣き始めた。
これから最悪の事態が起きることだけは理解出来た。
…殺されるのかもしれない。
学校のグラウンドのようなところで。
渚と同い年くらいの男の子たち、約50名が綺麗に整列された。
ガクガクする足で渚が立っていると、目の前に20代後半と思われる男が立った。
「まずは、学長からのご挨拶だ」
男が下がると次に目の前に立ったのは30代くらいの体格の良い男だった。
目が鋭く蛇のような顔をしている。
渚はチラッと周りを見渡す。
すべての少年達が絶望しているかに見えた。
中には見るからにイライラしている少年がいた。
渚を含めた少年たちを囲うように、きっちりと綺麗に騎士団の格好をした男達が立っている。手には剣を持っており、言う事を聴かなければ切りますよ。といった様子だ。
「ようこそ、少年騎士団へ。ここへ望んできた者もいれば、そうでない者もいるだろう」
しょうねんきしだん。
渚は鼻水をすすりながら、学長と呼ばれる男を睨んでいた。
「ここでの生活は君たちにとっては厳しさを極めるかもしれない。だが、強さというものは・・・」
涙で顔面を濡らしながら、一体この大人は何を威張って言っているのか…。
渚には全く理解に苦しんだ。
うんざりとしているのは渚だけではなかったのだろう。
「おまえ、頭おかしいんじゃねえか!」
と急に学長に怒号を浴びせる少年に、ビクリっと渚は身体を震わせる。
両手を拘束されているだけで、口は塞がれていない。
発言しようと思えば喋れるのだが、恐怖で誰もが沈黙を守っていたというのに、
一人の少年が列から外れて学長の前に立った、
「俺を家に帰せ。俺を元のところへ戻せ」
…同じだと渚は思った。
自分と同じように連れ去られた者がいたのだ。
学長に向かって、わめく男の子は見るからに身分の高い奴に見える。
服装が、豪華だ。
あんなテカテカした光沢のある生地に首には宝石を身に着けている。
そういえば、ここにいる少年達は皆服装がバラバラだ。
国家騎士団は無作為に少年を誘拐してきたのかと渚は考える。
「何とか言えよ、俺をこんなところに連れてきていいと思ってんのか」
さっきから、大声で叫ぶ貴族少年に。
渚は泣きながら心の中で、「もっと言えー」と応援していた。
学長は、黙っていたが、「なるほど」と急に頷いた。
次の瞬間、渚にとって一生のトラウマになる光景を目にする。
学長が頷いた後、一瞬の光景だった。
学長は身に着けていた剣を貴族少年の胸に向かって突き刺したのである。
「ぎゃあー」
側にいた少年達が悲鳴をあげる。
貴族少年の身体に剣が突き刺さった。
学長は無言で剣を抜き取る。
どさっと鈍い音で、少年が倒れた。
「言っておくが、少年騎士団に入団した以上、逆らった人間はこうなるから覚えておきなさい」
不気味に笑った学長に。
渚は目の前が真っ暗になった。


