Your PrincessⅡ

 ローズの身体能力は人間離れしている。
 さっきまで疲れて座り込んでいたくせに、こんなに速く走ることが出来るのだろうか?
 追いかけようにも、あっという間にローズの後ろ姿を見失ったので、
「おーい、どこだよ」
 と叫んだ。

 久しぶりに会えたというのに、また居なくなった。
 何だよ…とシュロがむっとすると。
 誰かの声が聞こえたので、こっちかと走った。
 少し離れたところに、ローズが立っていた。
 ローズの前には3人の青年たちが、ローズに向かって何かを言っている。
「おめえ、邪魔する気かあ?」
 どういう場面だろう? とシュロが考える暇もなかった。
 ローズは、剣を鞘から抜くと、
「うるさい」
 とだけ言って、瞬く間に3人の青年を剣で切りつけた。
「おい…」
 急にシュロは金縛りが起きたかのように、身体が動かなくなった。
 バタバタと倒れていく青年たちを見て、シュロは声が出ない。

 ローズは何か言うと。
 シュロのほうに向かってずんずんと歩いてくる。
 シュロはガタガタと身体を震わせながらも、身体を動かすことが出来なかった。
「俺は、こういう人間だから」
 ローズは、悲しそうに言うと。
「うっ」
 シュロの腹を思いっきりパンチした。
 息が出来ず、うずくまるシュロに、更に頭を何かで殴られる。
 バタリと倒れ込んだシュロに、ローズは言った。

「優しいシュロに、こっちの世界は向かないよ」