国家直営の青年騎士団。
シュロは無事に少年騎士団を卒業し、国家直営の青年騎士団学校へ入学が決まった。
赤い制服から、青い制服になり入学式を終えたシュロはすぐに担任の教師へ呼び出された。
「君の場合は例外中の例外というか…凄いね、君は」
と言葉を選ぶように担任が言うので、シュロは首を傾げる。
担任はシュロを食堂へと案内した。
「料理長、今日から厨房の手伝いをすることになった子です」
「え!?」
目の前に立つのは身長が190cmはあるかと思われる大男だった。
30代だろうか、じっとシュロを睨みつける。
「いやあ、ちょうど良かったよ。厨房も人手不足だったからね。あとは、料理長から聞いて」
そう言って、担任は風のごとく姿を消した。
「俺…、厨房を手伝うんですか?」
恐る恐る料理長に尋ねる。
「そうだ」
「…授業は?」
「そんなの、空いた時間に行け」
低い声で料理長が言った。
シュロは卒業して、青年騎士団学校に入学は出来たものの、
実際のところ、食堂で働く毎日を送ることになった。
制服を着たのは入学式の一回きりだった。
授業に出たかったが、食堂での仕事は多忙を極めて授業に出ることが出来なかった。
生徒としては在籍扱いになっているのだが、実際は食堂で料理補助をするだけの毎日だった。
寝泊まりする場所も、宿舎ではなかった。
校内にある一軒家で一人暮らしするように言われたときは、「何で?」と驚きを隠せなかった。
「来年、後輩が来るから。一年間は一人暮らしだ」
と担任に言われた。
毎日、校内の食堂で皿洗いや野菜の皮むきを手伝い。
家に戻れば掃除や洗濯をするサイクル。
それでも、騎士団に所属している扱いになるので実家への援助は切れることがないと担任に言われて、シュロは安心した。
どういう扱いであれ、家族が幸せになればそれでいいのだ。
厨房で働き始めた頃は大人に混じって仕事をしていたので「小僧」とか「新人」と呼ばれていた。
半年ほど経った頃、料理長が「そういえば」という感じでシュロを見た。
「おめえ、呼び名は何だったかな?」
「えっ、呼び名!? 本名じゃなくて…ですか?」
シュロは驚いて、黙り込んだ。
身分の低い自分に呼び名などあるわけがなかった。
かといえ、うかつに本名を口にしていいのかもわからなかった。
黙り込むシュロを見て、料理長は、
「おめえの出身地はどこだ?」
と聞いてきたので、シュロは村の名前を告げた。
料理長は、フハハハと笑い出した。
「そんじゃ、おめえはシュロだな。流石にタワシって名前は残酷だからな」
「しゅろ? 何すかソレ」
料理長は、シュロが手に持っていたタワシを奪った。
「おめえの住んでいたところは、シュロの木が有名だからな。だから、今日からおめえはシュロだ」
こうして、シュロの名前は料理長によって名付けられたのだった。
シュロは無事に少年騎士団を卒業し、国家直営の青年騎士団学校へ入学が決まった。
赤い制服から、青い制服になり入学式を終えたシュロはすぐに担任の教師へ呼び出された。
「君の場合は例外中の例外というか…凄いね、君は」
と言葉を選ぶように担任が言うので、シュロは首を傾げる。
担任はシュロを食堂へと案内した。
「料理長、今日から厨房の手伝いをすることになった子です」
「え!?」
目の前に立つのは身長が190cmはあるかと思われる大男だった。
30代だろうか、じっとシュロを睨みつける。
「いやあ、ちょうど良かったよ。厨房も人手不足だったからね。あとは、料理長から聞いて」
そう言って、担任は風のごとく姿を消した。
「俺…、厨房を手伝うんですか?」
恐る恐る料理長に尋ねる。
「そうだ」
「…授業は?」
「そんなの、空いた時間に行け」
低い声で料理長が言った。
シュロは卒業して、青年騎士団学校に入学は出来たものの、
実際のところ、食堂で働く毎日を送ることになった。
制服を着たのは入学式の一回きりだった。
授業に出たかったが、食堂での仕事は多忙を極めて授業に出ることが出来なかった。
生徒としては在籍扱いになっているのだが、実際は食堂で料理補助をするだけの毎日だった。
寝泊まりする場所も、宿舎ではなかった。
校内にある一軒家で一人暮らしするように言われたときは、「何で?」と驚きを隠せなかった。
「来年、後輩が来るから。一年間は一人暮らしだ」
と担任に言われた。
毎日、校内の食堂で皿洗いや野菜の皮むきを手伝い。
家に戻れば掃除や洗濯をするサイクル。
それでも、騎士団に所属している扱いになるので実家への援助は切れることがないと担任に言われて、シュロは安心した。
どういう扱いであれ、家族が幸せになればそれでいいのだ。
厨房で働き始めた頃は大人に混じって仕事をしていたので「小僧」とか「新人」と呼ばれていた。
半年ほど経った頃、料理長が「そういえば」という感じでシュロを見た。
「おめえ、呼び名は何だったかな?」
「えっ、呼び名!? 本名じゃなくて…ですか?」
シュロは驚いて、黙り込んだ。
身分の低い自分に呼び名などあるわけがなかった。
かといえ、うかつに本名を口にしていいのかもわからなかった。
黙り込むシュロを見て、料理長は、
「おめえの出身地はどこだ?」
と聞いてきたので、シュロは村の名前を告げた。
料理長は、フハハハと笑い出した。
「そんじゃ、おめえはシュロだな。流石にタワシって名前は残酷だからな」
「しゅろ? 何すかソレ」
料理長は、シュロが手に持っていたタワシを奪った。
「おめえの住んでいたところは、シュロの木が有名だからな。だから、今日からおめえはシュロだ」
こうして、シュロの名前は料理長によって名付けられたのだった。


