Your PrincessⅡ

 目の前に立つ少年は、金色の髪の毛だった。
 それよりも驚くのは、青い瞳をしている。
 異国の人間だというのは、見てすぐにわかったが。
 シュロは、少年を見てすぐに天使だと思った。
 病気だった母がよく言っていた。
「お母さんが死んだら、天使が迎えに来てくれるのよ」と。
「天使って何?」とシュロが質問すると。
「神様の使いの子達よ。金髪に青い目をしているんですって」
 母の言葉が鮮明に思い出された。
 目の前にいるのは。
 金髪碧眼の少年だ。
「なあ、俺を母ちゃんのところへ連れてってくれるのか?」
 シュロが言うと、少年は顔をしかめた。
「…何を言っているんだ?」
 少年は、身に着けていた剣をシュロの喉仏に突きつける。
「おまえ、卒業試験中じゃないのか?」
 剣を突きつけられたというのに、シュロは慌てることはなかった。
「君は天使じゃないのか?」
「…残念ながら、こんな見た目だが人間だ」
 そう言うと、少年は剣を鞘に収めた。
 シュロはじっと少年を見る。
 よく見ると、同じ赤い色の制服を着ていた。
 だが、こんな見た目が派手な同級生を見たことがなかった。
 吸い込まれそうになるような青い瞳はずっと見ていても、飽きないほどに美しいと感じる。冷静に見れば、少年は女性のような美しい顔立ちをしていた。
 せっかくの整った顔だというのに、睨みつけるように恐ろしい表情でシュロを見ている。
「おまえ、卒業する気はあるのか?」