Your PrincessⅡ

 近くの街まで約1時間。
 黙々と歩いた後、叔母はシュロを見て言った。
「ここで、お別れだよ。あとはオジさんの言うこと聞いてね」
 人生で一番の満面の笑みを浮かべた叔母。
 シュロは荷馬車に乗っているオジさんの隣に座った。
「叔母さんは行かないの?」
「私は家事が残ってるから。じゃあね!」
 荷馬車は動き出す。

 馬はゆっくりと歩き出す。
 暫く黙っていたシュロが隣で馬を操っている50代のオジさんに声をかけた。
「何処へ行くの?」
 オジさんは見たことのない人だった。
 ただ、優しそうな感じだというのが雰囲気でわかる。
「坊やは何も聴かされてないのかい?」
「買い物とだけ聞いた」
 オジさんは「おやおや」と言うと。
「おまえさんは少年騎士団へ行くんだよ」
「少年騎士団? 何それ」
「ま、簡単に言えば働きに行くんだよ」
「えー、俺。働きたくない」
 シュロは口を尖らせる。
 オジさんは思わず、可哀想にと言ってしまった。
「少年騎士団に入れば、一生貧乏しないで済むんだよ」
「俺が金持ちになるってこと?」
「いや、坊やだけじゃなくて家族の将来も保障されるのさ」
 オジさんの言葉の意味がわからず、シュロは「どういうこと?」と首を傾げる。
「うーん…君は兄弟はいるの?」
「うんいるよ。兄ちゃんと、弟1人と妹2人」
「そうしたら、全員。学校に行けるし。好きなものだって買ってもらえるのさ」
「誰が買ってくれるの?」
「うーん…王様かなあ?」
「ほんと!?」
「ただし、無事に学校を卒業して騎士団に入団出来たらね」
 オジさんの言葉に。
 シュロは「やったあ!」と歓声をあげた。