凄く、歩いた気がしたけれど。
 まだまだ、歩けるんじゃないかって思う自分に驚く。
 日が暮れたので、テントを張って休むことになった。
 手際よくシュロさんが夕飯の支度をして、サクラがその手伝いをする。
 手持ち無沙汰になったので、木に寄りかかっていると。
 クリスさんがやってきて、
「体調のほうは大丈夫?」
 と心配してくれる。
「今日は凄く調子がいいです」
 と言うと、
「そっか。神殿パワーかな」
 と言われたので、ん? と首を傾げてしまった。

 クリスさんと喋っていると、物凄い形相でサクラと蘭が睨んできたので。
 渚くんとお喋りすることにした。
 一日中、渚くんとばかり話している気がする。
「カレンって俺のこと大好きだねえ」
 と、いきなり大声で渚くんが言うものだから。
 どう答えればいいのかわからなくなる。
 クリスさんと話すと、蘭とサクラに睨まれるし。
 サクラとはあまり会話がはずまない。
 シュロさんは無口そうに見えるし。
 蘭は話しかけんなオーラが出ている。

「渚くんは、この冒険が終わったら結婚するの?」
 昼間、シュロさんが取ってくれた果物を食べながら言うと。
 渚くんはゴホゴホと咳き込んだ。
「カレン、凄いこと質問するね」
「ゴメン。でも、ちょっと気になったから」
 目の前に揺れる炎を見ながら。
 気になったことを口にしてしまった。
「…正直、わかんないや」
 てっきり、結婚するよ。と言ってくると思ったので。
「なんで?」
 と聞き返してしまった。
「…蘭次第かな」
 そう言うと、渚くんは口いっぱいに果物を放り込んだ。
 蘭次第。
 一体、どういうことなんだろう。