犬猿上司に溺愛されてます

そんな深野からアプローチされた若葉は、いまだに驚きを隠せないでいる。

「お腹空いただろう?食べて帰ろう」

「はい」

「デザートに、若葉を食べるから」

不意討ちで深野に耳元で囁かれ、若葉の身体が跳ねる。

「その発言はオジサンっぽいですよ!」

しかも、仕事に支障が出ると困るから苗字で呼ぶようにお願いしているのに、こういう時に下の名前で呼ばれると心臓に悪い。

「早く二人きりになりたい」

深野の瞳の奥が鋭く光る。

「と、と、とにかくっ!ご飯食べましょう!」

「楽しみだ」

慌てる若葉と色気たっぷりの深野を乗せた車が走り出す。

その夜、深野の宣言通り、若葉が甘く食べ尽くされたのは言うまでもない。


(終)