舞台下から這い出ると
いつもと違う体育館が現れた。

一面、墨のような黒が広がっているが、
上方から射す月明かりによって辛うじて掛け時計が読めた。

もうとっくに最終下校時刻を過ぎている。

なるべく明るい部分を歩いて体育館を出た。

校門は閉まっているが、
運良く警備員の姿が無かったため、
職員用の出入り口から校外へ。