さて、ベイルさんから届いたという王立学園の制服を翌日衣装部屋で確認する。

「なんて、着る人を選ぶ制服なんだろうか……」

制服自体の作りは可愛い。

ただし、西洋風で身体の凹凸や顔立ちがハッキリしているならば!

着る人を選ぶとは、そういうことである。

私の低めの身長、東洋人顔、凹凸に欠けるボディライン……。

一応袖を通してみたものの……。


「なんって、痛々しいのだろうか……」

着替え終わって見る全身鏡の向こうには、可愛らしいロング丈のワンピースで、ウエストは切り替えとギャザー寄せでふんわりしたスカートのシルエット。

その上に羽織るのは、ボレロの形にセーラーカラーが付いた可愛らしいもの。

本当にコレは着る人を選ぶ。

しかも、ワンピースの上はアイボリーでウエストから下は紺、ボレロも紺でセーラーカラーには赤のテープが入っている。


「もはや、日本だと漫画の中の学校の制服みたいなやつだよ、このデザイン……」


そう、つまり私には現実的じゃないってこと。

「これ着て学校生活送るの? つらすぎやしませんかね……」

鏡に映る自分を見てセルフツッコミとともに深いため息を吐く私に、アリーンとサリーンはあまり興味が無さそうで、窓辺に置かれたクッキーを食べて寛いでいる。

メルバだけは、足元から私を見上げてご機嫌良さげにしっぽを振っている。