婚約発表から二ヶ月ででの挙式に、本人達はもとより周囲の人間があたふたしたのは言うまでもない。

しかし、そこは筆頭公爵家のホグナー家と優秀な家令とメイド頭が支えるミレイド家。

この短期間でしっかり準備を整えて、冬に差しかかる前の晴れた日に無事に結婚式を行うことが出来た。

私のドレスはマリアさんとベイルさんが侃々諤々に戦っているうちに、デザイナーさんのイラストの中からひょいっとアラル君とジェシカちゃんが決めてしまったが、それを見て二人が納得したので丸く納まった。

結婚までの二ヶ月は、ミレイド家で大切に温かく、ゆっくりと家族団欒で過ごした。

早く結婚したくって、一緒に暮らしたいベイルさんは若干不服そうだったが、私は年の離れた妹と弟と過ごす時間が愛しくて、それを言えばベイルさんも我慢してくれていた。

「全く、ジェシカちゃんやアラルくんには勝てる気がしません」

と苦笑していたが時折私たち四人で過ごす時は二人に優しいベイルさんを見て、子どもが出来た時を思い描いていいパパになりそうだとちょっと楽しみになったりした。

その事を伝えた時には、ベイルさんもにこっと笑って言ってくれた。