ご主人様だけに一途




葉音ちゃんは
僕にもう一度微笑むと

机からノートを出し

もう僕に興味ゼロって顔で、
勉強を始めちゃったっぽい。





――挨拶すら、まともにできないなんて。

  自分のヘタレに、ほんとガッカリだぁ。





僕の肩がストンと落ち

情けなさで、背中が曲がる。





自分の存在が消されそうな程

ひっきりなしにこぼれる、ため息。



いっそ
ため息でできた透明人間になったら

自分の想いを伝えなくても、
葉音ちゃんの側にいられるのかな?





気持ち悪い妄想をした自分に、
ドン引きのため息を、吹きかけていると




隣の席から


まさか……??


熱のこもった視線が!!