ご主人様だけに一途





ひゃっ?? 


何が起きた??




葉音ちゃんが、僕の方を見ている?


夢? 奇跡? たまたま?





葉音ちゃんは
心配そうな顔で僕を見つめたまま

机の上に広げたノートを、指さしている。





ん? 


葉音ちゃんのノートに、
なんて書いてあるの?





『私、あきと君に
 何かしちゃったかな?』




葉音ちゃんは、細い指で
サラサラと更にペンを走らせ



『傷つけたなら、謝りたいです』



ペンを置き

不安そうな瞳で、再び僕を見つめてきた。






わわわっ。



これって……



葉音ちゃんを嫌いで、無視しているって

勘違いさせちゃったってこと?





ち……違うよ!



僕が勝手に、
葉音ちゃんにドキドキして。



通路を挟んで隣の席っていう、
近すぎるこの場所で

葉音ちゃんと同じ空気を吸ってるだけでも、
心臓が過労死寸前で。



脈まで、飛び跳ね続け


勝手に息苦しく、なっちゃうだけ!



葉音ちゃんのせいじゃ、ないから!!