先生は救護テントにいるし今この空間には君と僕しかいない。

キミが目を覚ますと僕は

「どうしたの?なんかあった?僕が見た限り熱中症でも貧血でもなかったみたいだけど…」

そうなのだ。自然に夏だから起こる夏風邪、のような症状ではなかった。

「な、なんでもないと思うから大丈夫。それより私、テントに戻んないと。」

逃げるようにでていこうとしたキミを僕は捕まえて呼び止めた。

「それなら病院に行ったほうがいい。その症状はきっと心臓病だ。」

僕は少しきつく、言ってしまった。

「な、なんでそんなことわかるの?」

キミは少し動揺した声で聞いてきた。

「そんなことどうでもいい。病院に行きなさい。それで診察してもらってからにしなさい。」

僕はもう心が崩れかけていた。多分今の声色はとても怖いと思う、自信がある。