あの夏、わたしはキミに恋をした。



「…もな、桃菜」

「あ、ごめん」

「大丈夫?」

「うん、大丈夫」


しばらく放心状態で動けなかった。

試合に負けたのはもちろん悔しいけど、でもみんな頑張ってたし選手たちの顔にも笑顔がみえた。

ただひとりをのぞいては。

あんな顔をみてしまったら、どうしたらいいかわからなくなる。



「ごめん、先帰っていいよ」

「桃菜は?どうするの?」

「水上くんをここで待ちたいの」

「そっか、わかった。気を付けてね」

「うん、ありがと。バイバイ」


遥と巧くんに別れを告げて、球場からでてすぐのベンチに座る。