8月25日(前編)

だけど朝陽とはただの幼馴染。

だから普通に話せるだけで…。

でも、あんな風に話すようになったのも本当につい最近のこと。


2年以上も話していなかった。

朝陽から話しかけられることはあっても、わたしが徹底して無視し続けていた。

「さっき初めて名前呼んでくれたよね?まぁ、それだけで今はじゅうぶんだけどさ」


と倉庫を出て行く水樹くんを咄嗟に呼び止めた。

「み、水樹くんっ」

「えっ?」


驚いた表情が薄っすら見える。

「…ありがと……」

本当にありがとう。