8月25日(前編)

そう言って笑いながら立ち上がると「じゃ、また」とサッカーボールを持って隣のグランドへと消えた。


守る…か。

そんな簡単なことじゃないんだけどね。

でも朝陽の気持ちは嬉しい。


そんなこんなで練習試合が始まるけど、わたしにボールが回ってくることなんてなさそうだ。

ひたすら邪魔にならないよう端に立って試合を見守る。


すると1人の女子が近づいてきたのがわかった。

「夏目さん突っ立ってるだけとか邪魔でしかないんだけど」

はぁ…始まったよ、この感じ。


きっとこの子は朝陽に気がある子だ。

さっきの朝陽とのやり取りを見られていたんだろう。