夏休み前ということもあり、土曜は半日授業が入っていた。


『オッケー!わたし、土曜休みだし』

「ほんと?じゃ、土曜で決定だね」

『うん、楽しみ〜!久しぶりだからいっぱい話そ〜』

と電話越しから楽しみにしてくれている千波の声に嬉しくなった。



そんなこんなで、今日がその土曜日。

この日をずっと楽しみにしていた。


終礼が終わり、リュックに荷物を詰めていると和子が声をかけてきた。

「紗良、せっかくだから少し可愛くしてあげよっか?」

「え?可愛く?」


和子の言葉に目をパチクリさせる。


「うん、久しぶりに会うんでしょ?」

和子には千波と会うことを伝えていた。

もちろん和子も千波の存在は知っていたし、1年の時に仲良かったことも知ってくれていた。