8月25日(前編)

「2年ぶりか〜確かにそれぐらい来てないかもね?あ、それより今日うち来るでしょ?」

「うん、行く」


っ……

2人ってそういう関係なの?…

はぁ…もうこれ以上会話を聞くのは無理だ。

だから早く家の中に入って…!


という願いは叶わなかった。


「ふふっ、可愛い子猫ちゃん見ーっけ!」

そんな言葉が真上から聞こえて驚く。

恐る恐る顔をあげると満面の笑みで見下ろされていて思わずフリーズしてしまう。


…バレ…た…?

「慧、この子知り合い?」

と水樹くんに声をかけているようだけど、わたしの視界から水樹くんは見えない。


「誰?」

そう言いながら近づいてくる水樹くんの足音に、心臓が口から飛び出る勢いだった。