8月25日(前編)

遠くなる意識と葛藤していると「夏目さん?」とカーテンの奥から平野くんの声が。

「平野、くん?」

そう言うとカーテンを少し開けて顔を覗かせた平野くんと目が合う。


何しに来たんだろう?

ってよりも何で保健室にいることがわかったの?


「体調悪いの?」

「少し熱があるだけだよ。それよりどうしたの?」

と聞くとカーテンを割って入ってきた。


「いや、その〜…さっき廊下ですれ違った時、体調悪そうだったから心配で」


そう言ってくれるけど、どこかよそよそしい平野くんが気になる。


「わたしなら大丈夫。ありがと」

でもそろそろ出て行ってほしい…

もう限界だ。


だから…

「ごめん、平野くん…少し寝たいんだけど」

「あ、うん!そうだよねっ!お大事に」


そう言うと慌てた様子で出て行った。