8月25日(前編)

でもわたしは違う。

「と、とにかく帰ります」

そう言って部屋を出て行こうとすると、後ろから抱きしめられて固まる。


…何…?

「紗良って言ったっけ?」

「……あの…」

「甘い匂いがする。俺、この匂いに弱いんだよな〜」


甘い匂い…?

また?何でだ?…


ってそうじゃなくてこの状況はやばいよね?

「あの、離してくださいっ」

と体をよじるとすんなり離れてもらえて安堵…

なんてできないまま腕を掴まれベッドに押し倒された。


「兄弟って顔の好みも似るんだな?俺、紗良の顔タイプだよ」

そう言って見つめてくる瞳は水樹くんに似ている気がした。


「ちょっと意地悪してあげよっか」

と言うとスマホを構えられ、シャッターをきられた。