8月25日(前編)

荷物をこっそり取りに戻ると、そのままカラオケボックスを出た。


俯いたままトボトボ歩いていると、誰かに腕を掴まれ顔をあげるなり驚いた。

「っ…こ、こんにちは」

と相手に向かって一応挨拶する。


「1人?慧と一緒じゃないんだ?てかその感じだと喧嘩でもした?」

「あ、えっと…」


なんでここでこの人に会うかな…。

腕を掴んだ相手は水樹くんのお兄さんだった。


「朔、この子誰?」

と一緒にいた人たちに見られる。

「あ〜この子は〜…俺のセフレ」

……セ、セフレ!?!?


「へ〜、いいじゃん!可愛いし!制服着てるってことは高校生?コスプレじゃなさそうだし」

興味津々に向けられる視線が痛いというより怖い。


「ってことで俺ここで帰るわ。この子連れて帰りたいし」