8月25日(前編)

「てか紗良、慧くんと話せたの?」

「…ううん…」

水樹くんとは結局話せないままで…。


おめでとうやお疲れ様、も何も言えていなかった。

だって水樹くんの周りには女子でいっぱいだったから…


近寄ることすらできなかった。


「よかったの?慧くんは紗良に一番に言ってほしかったんじゃない?」

「そうかな?別にわたしなんか…」


わたしの言葉なんて欲しいとは思ってないんじゃないかな?

たくさんの女子に囲まれた水樹くんは笑顔だったし…。


「でも朝陽くん大丈夫かな?来ないね」

そう。

朝陽がまだ来ていないのだ。


わたしも朝陽のことが気になって仕方ない。

試合が終わった朝陽は空元気というか…作り笑顔を振り撒いていた。