8月25日(前編)

「……」

どうしてそんなことが言えるんだろう?

朝陽はわたしの気持ちに気付いてるってこと?


「俺が混乱させたんなら謝るから。だから逃げずにさ…」

「…わかった」


朝陽がそこまで言ってくれるなら見届けよう。

「まぁ、勝つのは俺だけどね」

そう言うと朝陽は笑ってコートへと戻った。


「紗良?朝陽くんと何かあったの?」

やり取りを聞いていた和子が心配そうに顔を覗き込んでくる。

「…ううん。ただ、わたしって最高な幼馴染を持ったな、って思わされたかな」

「ふふっ、何それ」

と和子は笑うけど、本気でそう思ったのだ。


どっちが勝っても負けても、その現実は受け入れないとだよね。

「試合始まるよ、行こ」

と和子に続き2人の試合を見守った。