8月25日(前編)

そうこうしていると朝陽の試合も終わっていて、結果はもちろん勝っていた。

となると次は水樹くんと朝陽の試合。


なんか…最後まで見れる自信ないな。

どっちにも負けてほしくない、って思ってしまうわたしはおかしいのかな?


「和子…」

「どうしたの?」

「わたし、教室に戻ってる」

「えっ!?何で?」

「…何か…体調悪くて」

「大丈夫?ついて行こうか?」

と本気で心配してくれる和子に心苦しくなる。


「大丈夫、和子は見てて」

そう言って体育館を出ようとした時だった。


「紗良っ、」

と腕を掴まれた。

この声は…

「朝陽…」

「逃げずにちゃんと見ててよ。紗良は俺じゃなくて水樹を応援すればいいんだよ?」