8月25日(前編)

少しして体育館に戻ると、すでにバスケの試合が始まっていた。

見ると2つのコートで水樹くんと朝陽はそれぞれで試合をしていた。


お互い勝てば、次は2人の試合へと繋がるようだ。


グランドで聞いた歓声が次は体育館で響く。

それも今回は朝陽もいることもあり、歓声も倍に聞こえる。


「紗良っ、こっちこっち!」

入り口で立ち尽くしていると和子が駆け寄ってきた。

「遅かったね?帰ったかと思った」

「ごめんごめん」


さすがに帰ることはないけど。

「それより、やっぱり今年もあの2人の接戦になりそうだね」

と和子の視線は水樹くんに向いたり、朝陽に向いたりと忙しそうにしている。


水樹くんも朝陽も次から次にシュートを決めていく。

水樹くんなんて、さっきまでサッカーしてたのに体力が持て余っているかのような動き。


すごい、の一言に尽きる。