8月25日(前編)

「じゃ、俺戻るわ」

「え、じゃ、わたしも」

と椅子から立ち上がると朝陽に止められた。

「紗良は少し遅れて戻ってきたほうがいいと思う」

「え…どうして?」


何で別々に戻る必要があるの?


「俺と戻るところ、水樹に見られてもいいの?」

「あ、そうだよね…」

なるほど、そういうことか。

「俺は別にいいんだけどね?」

と意地悪な笑みで見つめられる。


「ごめん、朝陽。別々でお願いします」

「わかってるよ。じゃ、先に行くわ」


そう言うと保健室を出て行った。


朝陽はそこまで気にしてくれてるんだ。

でもそれってわたしが気にかけないといけないところなんだよね。

別にやましいことをしている訳ではないけど…


やっぱり何か…ね?…