8月25日(前編)

そう言うと歩き出す。

「ちょ、ちょっと待ってよ」

と急いで朝陽の背中を追った。


それにしても朝陽は何で突き指したことがわかったんだろう?

間近にいた和子でさえ気づいてなかったのに。

不思議だな〜。



保健室に着くと先生は不在だった。

「手当てなら俺に任せて?とりあえずそこ座ってて」

と椅子を指さすなり、手当ての準備をする朝陽。


そして慣れたように手当てをしていくからビックリだ。


「朝陽ったらすごい!慣れてるね?」

「慣れてるもなんも、バスケで何度突き指してきたと思ってんの?」

「あ、そっか」


だから慣れてるのか。

「ちなみにこの突き指は軽いから大丈夫だよ。動かさないように気をつけてればね」

「ほんと?よかった〜」


朝陽は医者になれるんじゃないだろうか?

なんて思えてしまう。