8月25日(前編)

あの感じだと試合は勝ったようだ。

なんて思いながら見つめていると、水樹くんと目が合った…ような?

すぐにそらされたから見間違いだったかな。


「あ〜怖。俺、試合でやられるかも」

と言った朝陽の言葉の理解は難しい。


「紗良、バレーそろそろじゃない?」


と言われ、ハッとするとわたしに気づいた和子が駆け寄ってきた。

「こんなとこにいたっ!紗良、行くよ」

と無理矢理立たされると腕を引っ張られた。


「朝陽くんと何話してたの?慧くんの試合すっぽかして浮気?」

ニヤニヤ顔の和子から視線をそらす。


「慧くんたち勝ったよ!おめでとうとか言わなくていいの?」

「……後で言うから」

と言ったものの、水樹くんと話せる時間なんてなさそうだ。


スポーツ大会が終わったら打ち上げというものがあるらしく、それに無理矢理参加させられることになっていた。