8月25日(前編)

こんなの見惚れてしまうよね。


そして、あっという間に前半戦が終わり、休憩に入った水樹くんの周りには一気に女子が集まる。

どうやら差し入れというものがされているようだ。


ドリンクやタオル、何かしらの食べ物が水樹くんに渡されていく。


「紗良、行かなくていいの?」

その様子を見ていた和子がそう尋ねてきたけど、あの中にとても入れそうにない。

というより…なんか、見たくない。


「和子、わたし体育館に戻るね」

「え、何で?まだ後半戦残ってるよ?」

「うん、和子は代わりに見てて」

そう言い残し体育館へと逃げた。


はぁ…何やってるんだろ。

もちろん後半戦も応援するつもりだった。

だけど、胸が痛い…苦しい…。


こんなんじゃ、とても応援できそうにない。