8月25日(前編)

「紗良…「本当にぶつけただけ。大丈夫だから」」

お母さんが何を言うかなんてわかっている。

だから言わせない。


大丈夫、わたしは大丈夫。

「…そう?しっかり冷やさないと青くなるからね」

…ごめんね、お母さん。


わたしは部屋に行くと鏡でおでこを確認した。

「っはぁ…最悪だ」

もうすでに赤く腫れあがっている。

これは青くなるだろうな。

冷やすのが遅れたから仕方ないか。


どうせこの前髪で見えないし大丈夫だろう。