8月25日(前編)

「な、何でしょうか?」

恐る恐る頼まれごとの内容を聞くと、沢田先輩の瞳が真っ直ぐ見つめてくるから構えてしまう。


「俺の彼女になって!」

「………えっ!?か、彼女っ?」

彼女ってあの彼女…だよね?

え、どういう意味だ?


「そう、彼女。1時間だけでいいから」

そう言うと顔の前で手を合わせられる。


そんなことされたら断れないというか…

そもそもそうなった経緯を教えてもらいたい。


「沢田先輩、説明聞いてからじゃないと…」

「そうだよね。ごめんごめん」

と椅子に腰掛ける沢田先輩につられて、わたしも隣に腰掛ける。


「もうずっと電話かかってきてたの知ってるよね?」

「はい」

その相手が元カノさんだと言うことも。