8月25日(前編)

「毎週、木曜の放課後はここに来ること。わかった?」

ううん、全然わからない。

だけど、水樹くんは満足したのか更衣室を出て行ってしまった。


「はあぁ…何あれ…」

水樹くんのことは一昨日から好きだ。

だけど、別に彼女になりたいなんて、これっぽっちも思っていない。

ただ好き。

わたしはそれだけでよかった。


よかったのに…なんでこうなった?

そもそも水樹くんは何が狙いなの?


まぁ、わたしは彼女になったつもりはない。

だから何も気にすることなんてないし、毎週木曜の放課後にここに来ることもない。