8月25日(前編)

ハッとするといつの間にか隣に水樹くんの姿が。

「水樹くん…」

「昼休み、晴人と何話してたの?俺の目の前で堂々と連れ出すんだもんな〜」

「あれには訳があって…」

「へ〜」

冷たい返事をすると歩き出す水樹くん。


もう一度、沢田先輩に視線を向けると相変わらず険しい表情をしたままで…

心配な気持ちが膨らんだ。



久しぶりに水樹くんと並んで歩く。

ドキドキと胸が高鳴っていくのがわかった。

「で、晴人と何話してたの?」

校門を出たタイミングで口を開いた水樹くん。


「…千波のことでちょっと」

「あ〜…」

とその返事の仕方はもう知ってるようだ。


「水樹くん、知ってたの?与田くんのこと」

「まぁ…うん」