8月25日(前編)

ーー放課後…

終礼が終わると同時に教室を飛び出し、バイト先まで走った。


「はぁ…はぁ…っ…」

着く頃には肩で息をするほどで、ポカポカと体が温かい。

「紗良ちゃん?今日早いね」


スタッフルームに入ると沢田先輩が驚いた顔を見せた。

「走ってきたので」

「なんで?まだ時間余裕あるよね?」

「…訳ありです」

と言うとにっこり微笑む沢田先輩。


その顔は話しを聞いてくれる顔だ。

「少しだけど聞いてあげるよ」

ほら、やっぱり。


「チョコ…渡せなかったんです」

「またなんで?あんなに頑張って作ってたじゃん」