8月25日(前編)

馴染むつもりなんてないんだから。


「あー…はい」

朝陽の微妙な返事が聞こえてきてからは、耳をイヤホンで塞いだ。

余計なことは聞かない。

余計なものは見ない。


これでいい…こんな現実…避け続ければいい。

だけど、心のどこかではわかっていた。


このままの自分でい続けるのも限界があることを。

今は1人でいいかもしれない。

だけど、人は1人では生きていけない生き物。

すでにその現実とは何度もぶつかってきた。


…だけど……わたしはいつまでも臆病だ。