8月25日(前編)

いっときすると、外からお母さんの声が聞こえた。

「あら、おかえり」

「こんにちは」

この声は朝陽だ。


朝陽も同じ高校に通うことになっていたけど、朝陽の情報はそれだけで、クラスとかクラブとかまでは知らない。

「朝陽くんまた身長伸びたんじゃない?顔もまたかっこよくなったみたい」

「身長は伸びてますけど、顔は全然ですよ」


へー、身長伸びたんだ…。

もう長いこと朝陽の姿を見ていない。

「そう?モテるんじゃない?あ、紗良のことよろしくね?あの子、きっと馴染めてないと思うから」

お母さん余計なこと言わないでよ。