8月25日(前編)

今、この空間…

ここだけはわたしの視界を広げられる。


ベッドに寝転ぶと、さっきのお母さんとのやり取りを思い返す。


ーー長谷川朝陽[はせがわあさひ]

隣の家に住む幼馴染。


だけど、朝陽との関係は幼馴染といえるほどのものではない。

もうここ数年口もきいていない。


それはわたしがそうお願いしたから。

わたしがこんな風になってしまったのは朝陽絡みで…友達がいなくなったのも朝陽が原因。


別に朝陽が憎いわけではない。

朝陽が悪いわけでもない。


だけど、あの頃のわたしはそうしないと耐えられなかった。