8月25日(前編)

確かにそれはあるかもしれない。

だけど…


「それでも行きたい。どんなわたしでも受け入れてくれたように、わたしも水樹くんのことは受け入れたいと思うから」

「……そっか。じゃ、行かないとだね」

「朝陽…」

「いいよ、わかってる。だからもう行って?」

「…うんっ、行ってくる!」


全速力で走る。

やっぱり走るのは気持ちいいや。


わたしは校舎に入るとそのまま教室に向かった。

例の3階の男子更衣室とも迷ったけど、あの日と同じように教室にいる気がした。


その勘は見事に的中。

あの日と同じように机に項垂れている水樹くんの姿がそこにはあった。