8月25日(前編)

だけど、あることを機に一気に友達だった子たちが離れていった。

それはたった1日のことで本当に呆気なく…。


あー、本当の友達っていなかったんだ、ってこの現実に心底ガッカリした。


「紗良、おかえり」

家に着くと、お母さんが庭の花に水を撒いていた。

「ただいま」

「学校どう?やっていけそう?せめて、朝陽くんとクラスが一緒だったらよかったのにね〜」

「…そうだね」

朝陽…

お母さんはああ言ったけど、わたしは朝陽と同じクラスなんて絶対無理。


家に入って部屋に行くと一番に制服を脱いだ。

そして、すぐに前髪をゴムで結ぶ。