8月25日(前編)

朝陽は見た目だけじゃなく、中身もかっこいいままだね。

そういうところ、昔から全然変わってない。

「でもその代わり、今日は俺だけのことを考えて?水樹じゃなくて」

そう言うと朝陽は手を繋いできた。


「…うん。わかった」

そうだよね!

今日は水樹くんのことは忘れて、朝陽とお祭りを楽しもう。



会場に着くと人の山に唖然とする。

お祭りってこんなに人が集まるんだっけ?

人酔いしそうだ…。


「紗良、はぐれないでね」

朝陽は握った手に力を入れると人混みをかき分けていく。


これは、はぐれたら終わりだろう。