8月25日(前編)

それにしても本当に朝陽は垢抜けた?というか…かっこよくなった。

どんどんと大人びる朝陽に気持ちが追いつかないでいる。


「まさかこうして紗良と祭りに行ける日がくるなんてな〜。去年までは信じられなかった」

「そうだよね。わたしも驚いてる」

去年までのわたしとはすっかり変わってしまった。

「なんで今日誘ってくれたの?本当は水樹と行きたかったんじゃないの?」

朝陽は鋭い。


それには触れないでほしかったのに。

「先約があるんだって…」

「先約?…そっか。じゃ〜先約がなかったら俺は紗良に誘われることはなかったんだね」


あ…そういうつもりじゃ…。

「別にいいんだよ?それで。それで誘われないより全然マシ。だから今日はありがとな」