8月25日(前編)

ーー夏祭り当日…

ピンポーンと鳴り響いたチャイムに、お母さんが出ると「こんにちは」と朝陽の声が聞こえてきた。

全身鏡でもう一度身だしなみのチェックをすると部屋を出た。


「朝陽お待たせ」

「お〜浴衣似合ってる」

朝陽はそう言うとわたしの全身を見通す。


そんな朝陽も甚平姿が似合っているから見入ってしまう。


「そろそろ行こっか」

「そうだね」

下駄に足を入れていると「楽しんできて」とお母さんの声が。


「紗良のことは責任を持って送り届けます」

と笑って言う朝陽。