結局歩いてホテルに着くと、杏衣ちゃんが水樹に抱かれていた。 杏衣ちゃんは下を向いていて俺に気づいてない。 水樹は自分のブレザーを杏衣ちゃんの肩にかけて肩を抱いて自分の方に強く引いている。 よく見ると……杏衣ちゃんの髪が濡れている。 何があった。 何も状況が掴めなくて頭の中で焦る。 水樹を呼んでも聞こえなかったのか杏衣ちゃんを大切に包み込んでエレベーターに乗った。